The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
しかも、あろうことか。

「嫁なら何も迷うことなんてないじゃないですか。ヤりたくなったらいつでも夜這いし放題。人目を忍ぶ必要もない。朝だろうが昼だろうが何回でも合法的に遊べる特権があるのに、何を今更誘い方なんて。好きなときに押し倒せば良いじゃないですか」

ルヴィア、聞くな。ルレイアの嫁の定義は間違ってる。

ルレイアは貞操観念が崩壊してるから分からないんだろうが、世間一般では、嫁ってそういうものじゃないから。

良い子の皆。ルレイアの言うこと鵜呑みにするなよ。ルレイアは悪い子だから。

「俺はまた、愛人でも作ったのかと思ったのに」

「いや、愛人なんて…考えたこともありませんよ」

だろうね。あれだけのろけてたら。

「嫁相手に誘うの躊躇してるんですか?あなた」

「そうなんです…。いつ誘って良いのやら分からなくて…。こっちがその気でも、向こうがその気になるとは限らないじゃないですか。女性の身体は男よりも繊細だって言いますし…。体調悪いときに無理矢理相手させる訳にもいきませんから」

「…」

ルレイアは、何の話だ?みたいな顔をしていた。

そりゃルレイアには、ルヴィアのこの優しい気遣いは理解出来ないだろう。

言っとくが、正しいのはルヴィアだから。ルレイアがおかしいんだ。

「その奥さん、あれですか。性欲薄い系女子ですか」

「まるっきりないって訳じゃないと思うんですよ。たまに向こうから誘ってくるんで…」

「向こうはどんな誘い方なんですか?」

「どうやら、その気があるときはいつもよりセクシーなナイトウェア着てるみたいです。そういうときに手を出さなかったらむしろ怒られるので」

「成程。ベビードールって奴ですか?ちなみに色は?」

「ベージュかピンクか…」

「地味な色ですね~。黒の方が良いと思いますけど。俺のハーレム会員には全員黒着せてますよ」

「でも、うちの嫁は薄い色の方が似合うんですよ。清楚と言うか…。ちょっと背伸びしてるのが凄く可愛くて」

「ふーん」

よそでしてくれ、そういう話は。

俺の部屋ですんな。

今すぐこの二人を廊下に摘まみ出したいところだが、そういう訳にもいかず。

そのまま、対照的な二人のエロトークを聞かされる羽目になった。
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