The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「ベビードール着てるときが『お誘い』の合図なんでしょう?なら、それを逆手に取ったらどうです?」

「どういうことですか?」

話が若干R18指定されそうな方向に向かってるんだが。

そろそろやめてくれないだろうか。俺を挟んでそういう話するの。

入っていけない。

入りたくもないけど。

「嫁が好きそうなデザインのベビードールをプレゼントして、『こういうの好きそうだから買ってみたんだけど、着てくれないかな』って言ったらどうですか?」

「成程…」

「あるいは自分好みのベビードールを買って、『俺こういうの着て欲しいんだ』って渡すとか。お宅は今、ベビードール着る=ヤるって流れになってるみたいなんで、それを利用しない手はないですよ」

「分かりました。今度…ちょっと試してみます」

試すんかい。

「ちなみに、そういうセクシー系の下着専門のショップ、良いところ知ってますよ。顔が利くんで、俺の名前出して買えばちょっとお得ですよ」

「本当ですか?ありがとうございます」

そしてルレイア。お前はそっち業界では最早重役だな。

その店で買った服をハーレムの会員に着せてるんだろう。この極悪人め。

あぁ…。俺の部下が、ルレイアに汚染されていく。

「しっかし、分かりませんねぇ。嫁を誘うって感覚。一つ屋根の下なんだから、ヤりたいときにヤれば良いじゃないですか。それとも寝室別々ですか」

「いや…一緒ですけど」

「なら、何を躊躇うことがあるんですか?手を伸ばせば良いだけじゃないですか」

「とは言いますけど…。なんだか遠慮してしまって…」

ルヴィアは、ルレイアとは違うんだよ。

夫婦間と言えど、普通ルヴィアみたいに気を遣うよなぁ?

ルレイアは、女と遊ぶときに相手を気遣うなんてことはした試しがないんだろうが。

「今夜ヤろうよ。この一言で良いじゃないですか」

「それで断られたら悲しいじゃないですか…」

「あ、あれですかお宅。もしかしてあなたMっ気があるんですか。嫁が女王様役?」

「それは違いますけど…。尻には敷かれてると思います」

うん。俺もそう思う。

今までのルヴィアの話から察するに…。クランチェスカ家で最も権力を持っているのは、ルヴィアではなく、ルヴィアの嫁だ。

しかし、ハーレムの主であり、女達にかしずかれるのが当たり前のルレイアには、それが理解出来ないようで。

「ふーん…。分かんないですねぇ。女の尻に敷かれるなんて」

お前も闇落ちしなかったら、多分今のルヴィアみたいになってたんだろうとは思うけど。

「…とにかく、ルレイアさん。アドバイスありがとうございます。今度試してみますね」

「頑張ってください」

…ルヴィア。頼むからお前はルレイアみたいになるなよ。

クランチェスカ夫妻の話を聞く限り…そうはならないと信じてるが…。
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