The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
ルヴィアを自分の執務室に招き、応接用のソファに座らせる。

今回は一体、何があったのかだろうかと思っていたら。

「…俺、前から酒、結構飲んでたじゃないですか」

と、ルヴィアは悲しげに話し始めた。

…酒?

飲酒?

「飲んでた…のか?」

「飲んでたんですよ…」

そうなのか。いや…部下の飲酒事情についてはそんなに詳しくはないが。

ただ、酒を飲むのが好きだというのは薄々気づいていた。

何年物の何処何処のワインが~とか、他の部下と喋ってるのを聞いたことがある。

しかし、酒好きの人間なんて何処にでもいる。

それの何が悪いんだ?

「酒が原因で何かあったのか」

「そうなんです…」

「高いワインを買い過ぎた…とか?」

「昔はそんなこともありましたけど…。結婚してからは買ってないです。それよりそのぶんのお金で、嫁と旅行でもした方が楽しいと思って」

良い笑顔だな、お前。

本当に悩んでるのか疑問になってきたぞ。

「問題は…俺の…酒癖の悪さにありまして」

「…お前酒癖悪いのか?」

「酔ってるときのことは、自分ではあんまり覚えてないんですけど…。俺、酒は好きだけど弱いタイプみたいで…。ワインなら、グラス1~2杯で意識が吹っ飛びます」

「…」

「ビールは二缶も飲んだら意識は消えてますね…」

それは…確かに弱い体質らしいな。

「で…悪酔いすると?」

「暴れたりとかはないんですけど…。何処ででも寝ちゃいますし…。すぐ意識が飛ぶので、飲みに行くと帰りにいつも…部下に送ってもらってて…」

あぁ…飲み会に来ると嫌がられるタイプの上司だな、お前。

吐いたり暴れたりはしないが、いの一番に酔い潰れて後の扱いに困る奴。

部下からしてみれば良い迷惑だろう。上司だから放って帰る訳にもいかないし。

「家に帰っても、シャワー浴びずに玄関でそのまま寝ちゃう…なんてこともしてしまって」

「あぁ…。そりゃ奥さんに怒られるだろうな」

「そうなんです。でも、うちの嫁…怒り方がちょっと変わってて…」

「…どんな風に怒られたんだ?」

「…それが…」

ルヴィアはそのときのことを思い出したのか、ぶるっ、と身震いして…それから、話し始めた。
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