The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
ーーーーーー…。

「…俺、生け贄にされるところでした」

「何を呼び出そうとしてたんだろうな…」

旦那を生け贄にして。悪魔か?死神か?

「俺の嫁、前職が占い師なので…。余計リアリティあって怖かったです…」

「そうか…」

咄嗟に起きたから良かったものの、起きなかったらどうなっていたことか。

ルヴィア、冥界か何処かで目覚めていたかもしれない。

「…しかし、その五芒星、ルヴィアが寝てる横で描いたんだろうか?」

ルヴィアは玄関先に倒れ込むように寝てたんだろう?

で、起きたら逆五芒星の上で寝てたと。

ということは一度、寝ているルヴィアを横に退かして、そこに逆五芒星を描いて…。 っていう手順を踏んだのだろうか。

暗闇の中で逆五芒星って描けるものか?かといって電気点けたら…ルヴィアが起きるだろうし。

「いえ…。事前に描いてたみたいです。飲みに行くって連絡を受けたときから、俺が酔い潰れて玄関先で寝ると予想して…」

「…ルヴィアが寝落ちするであろう場所に、事前に逆五芒星を描いて、儀式の準備を進めていたと言うのか」

「そうみたいです…」

お前の嫁、軍師か何か?

用意周到過ぎるだろう。

お前も嫁の思惑通りに引っ掛かってるんじゃない。

「そうか…。生け贄にまでされたら、酒を辞めずにはいられないな」

「いえ、これも決定的なエピソードじゃなくて」

「またやったのか。お前」

懲りないにも程があるぞ。いい加減にしろ。

「やっちゃいました…」

「馬鹿だな、お前…」

いい加減理解しろ。お前の嫁は、敵に回してはいけないタイプの人間だ。

ルレイアと一緒。

「俺がきっぱり酒を辞めようと思ったのは、昨日のことなんですが…」

「…あぁ」

恐ろしいので正直聞きたくないが、ここまで来たらもう、聞かない訳にはいかない。
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