The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

飲み会の席なので、ルヴィアは来ないかもしれないと思ったのだが。

ルヴィアが嫁に交渉したところ。

「絶対にアルコールは口にしない」、「今度の休日、遊びに連れていく」という二つの約束をすることを条件に、許可をもらったらしい。

ルヴィアは俺の派閥ではNo.2の人間なので、こういう席にいてくれるのは有り難い。

「…無理させて悪いな、ルヴィア」

「？何がですか？」

「今夜来たせいで、今度の休日が潰れるんだろう？」

「いえ、平気ですよ。どうせ休日はいつも嫁と出掛けてますし…。何処か行こう、ってせがまれるんですよ」

あぁ…そう。

そういやお前ら、俺が心配するまでもなくラブラブなんだっけ。

更に。

「良いですねぇ。俺もルルシーとお休みの日にイチャイチャしたいです」

うっとりしながら俺の腕にくっつく男が一人。

「…ルレイア。お前、何でいるんだ？」

今日の集まりは、俺の派閥に所属する人間限定なんだが？

「何でじゃないですよ。ルルシーがここにいる。その隣に俺がいる。何もおかしいことはないでしょう？」

あるよ。

「大体ルルシー、最近その人と仲良しみたいじゃないですか。自分の部屋に呼んで二人きりで深刻そうに話してたじゃないですか」

ルレイアは、ジトッ、とルヴィアを睨んだ。

幹部に睨まれてルヴィアがびびっていた。やめてやれ。

「これは浮気ですかね？」

「浮気じゃねーよ…。ルヴィアは既婚者だぞ？」

「巷では職場不倫も流行ってるそうですけど？」

「何だよ、それ…」

俺はともかくとして、ルヴィアが不倫するなんてことは絶対有り得ない。

昨日だってルヴィアは、「弁当に入ってた人参がハート型だったんですよ～」って嬉しそうに見せてきたぞ。

仲良過ぎだろう。お前ら。

「とにかく、今日は俺もルルシーと飲みデートします。良いですよね？」

「…もう好きにしろ」

帰らせようとしても帰らないのは分かってるし。

ルレイアは俺にしか興味はないだろうから、うちの部下に変に口出しすることもあるまい。

そう納得して、俺はルレイアに好きにさせておくことにした。