The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーーー…最近、思うのだが。

ルレイア以下数名が、仕事をサボって俺の執務室に遊びに来るのは。

俺が毎回、まぁいつものことだし良いか、と流してしまっているのが原因では?

と、今更気づいた俺。

そんな訳なので今日は、きっぱりと追い返そう。

ルレイアが遊びに来たら、来んな帰れ、と強めに言ってやろうと思った。



…そして、案の定。



手元のPCを前に作業中のところ、軽いノックと共に、がちゃり、と扉が開く音がした。

…早速来たな。あのアホめ。

よし。きっぱり言ってやるぞ。

「…いい加減にしろよお前」

「えっ?」

俺は、自分でもびっくりするくらい低い声でそう言った。

「毎日毎日仕事サボって、俺の邪魔しに来やがって。お前は自分の立場が分かってるのか?お前がそんなんじゃ下の者に示しがつかんだろ。少しは真面目に仕事をやれ!あと俺の邪魔すんな!」

「えっ…あ、す…済みません」

…うん?

「ルルシーさんにご迷惑お掛けしてるのは自覚してます。で、でも…その、今回だけ許して頂けないでしょうか。どうしても、嫁が…。あの、嫁の体調が戻ったら、今まで以上に努力しますので。本当に申し訳ありません、ルルシーさん」

「えっ…?る、ルヴィア…?」

「…はい?」

顔を上げると、そこには上司からの理不尽な叱責を受けて、おろおろと戸惑うルヴィアがいた。

…。

…よく考えたら、ルレイアだったらノックするはずないもんな。

俺は、てっきりルレイアだと思って…。

「…済まん。ルヴィア…。間違えた」

「は…?」

意味不明な叱責を受けたルヴィアは、可哀想なくらい狼狽えていた。

まだ何もしてないのに何で?みたいな顔で。

そりゃそうだ。とんだ濡れ衣。

「ルレイアかと思って…。ごめん、お前は何も悪くない。お前ほど真面目な人間はいない」

ルヴィアにこれ以上真面目に仕事をやらせたら、それはパワハラだ。オーバーワークだ。

お前はそれ以上真面目にならんで良い。

「人違いだった。今のは取り消す」

「は、はぁ。えっと…。俺に対して怒った訳じゃないんですか?」

「あぁ。お前は何も悪くない」

ルヴィアは誰より真面目で優秀な、俺の部下だ。

その真面目さを少しくらいルレイアに分けてやってくれ。
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