The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
俺はキッチンで、昨日買っておいたりんごをおろし器ですりおろし。

ついでに生姜湯を作って蜂蜜を入れ、それらをフューニャに持っていった。

りんごを食べてくれれば良いが、食べられそうになかったら、せめて生姜湯だけでも飲んでもらおうと思って。

「ほら、フューニャ」

スプーンでりんごをすくって、フューニャに差し出した。

「…自分で食べられます」

「良いから、ほら」

「…」

食べさせてやると、フューニャはりんごを一切れぶん程度、食べてくれた。

良かった。

「あと、これ…。生姜湯。飲めるか?」

「…苦いですか?」

「苦くないよ。蜂蜜も入れたから」

苦笑しながらフューニャにマグカップを渡してやる。

素直にくぴくぴと生姜湯を飲むフューニャを見て、俺はほっと一息ついた。

とりあえず、胃が何も受け付けないということはないようだ。

「フューニャ。夕飯、何食べたい?何も欲しくない、はなしだぞ」

「う…」

何も要らないって言うつもりだったな?さては。

「スープでも作ろうか。湯豆腐とか…。あっさりしたものの方が良いよな」

フューニャはこくり、と頷いた。

「雑炊とか、食べられそうか?」

「…はい」

「良かった。じゃあ、後で作るよ。他にして欲しいことはあるか?」

「…」

ふるふる、とフューニャは首を振った。

ったく、少しは甘えれば良いものを。

「何かあったら呼ぶんだぞ。分かった?」

「…はい」

よろしい。

俺がいたらフューニャがちょこまか動き回らないから、安心出来るな。

俺はフューニャに大人しくしているようにと再度念を押し、寝室を出た。
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