The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…もう治りました」

「あぁ…。熱、下がったみたいだな」

フューニャの額に触れる。うん。もうすっかり平熱。

良かった。

「私は治ったので、もう動いても良いんです」

「ん?そりゃ動いても良いけど…。動き過ぎたら駄目だぞ。ぶり返すかもしれないからな。今日一日はまだ家の中で大人しくしてること。良いな?」

「…」

不満げなフューニャ。可哀想だが、ここは譲れない。

「良いな?フューニャ」

「…分かりましたよ。全く…うるさい姑みたいです」

姑で結構。

それでフューニャが元気になるなら。

「それと、薬もちゃんと飲むこと」

「う…」

あっ。飲まないつもりだったな?フューニャめ。

悪いが、そうはいかないぞ。

「錠剤の数、ちゃんと数えてるからな。飲まなかったら分かるぞ」

「…む~…」

憎々しげに睨んでくるが、俺は知らんぷりしてやった。

これだけたっぷりと釘を刺しておけば、フューニャも大人しくしていることだろう。
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