The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーー…ルヴィアが、ご機嫌で出社してきた。

最近、ルヴィアの機嫌が良いときには分かるようになってきた。

ルヴィアの機嫌が良いときは、大概嫁絡みであるということも。

「ルヴィア…。嫁は大丈夫か?」

「はい、ルルシーさん。随分良くなりました」

あっ、ほら。やっぱり。

「昨日は本当に…ご迷惑おかけしました」

「気にするなって。俺に迷惑をかけるのはルレイアであって、お前じゃない」

昨日もあの後、散々俺の邪魔をして、しかも飯までたかって帰っていったからな。あいつ。

我が相棒ながら、とんでもない奴だ。

「しかし…。ルヴィアみたいな旦那をもらったお前の嫁は、幸せ者だな」

「…?」

どうやら本人は…自覚なし、のようだが。

「看病してやったんだろう?嫁のこと」

「それは勿論。放っといたら、熱でふらふらなのに家のことをしようとするので…。全部取り上げて、ベッドに押し込みました」

「そうか」

体調を崩して寝込んでいる嫁に、俺の飯は?と聞く全国の駄目な夫達に聞かせてやりたいな。

ルヴィアの嫁は、本当に幸せ者だ。

「嫁が元気になって、本当に良かったです」

心底嬉しそうに、ルヴィアはそう言った。

全く。仲が良くて何よりだ。

「今度は、逆にお前が看病される羽目にならなければ良いがな」

「大丈夫ですよ。俺、ここ十数年風邪は引いてないので」

ルヴィアは自信たっぷりに言った。

しかし、思えば…これがフラグだったのかもしれない。

体調を崩す原因は、風邪だけだとは限らない、ということだ。
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