The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
しかし実を言うと、大変なのはこの後だった。

フューニャは、いつぞやの仕返しのように…俺をベッドに押し込めて、出してくれなかった。

「フューニャ…。あのな、今なら痛み止めが効いてるから…。ちょっと起きて、事務仕事を…」

「お断りします」

またお断りされた。

「私が目を離したらすぐ動き回ろうとするんですから…。困った人です」

何処かで聞いたような台詞だ…。

あぁ、耳が痛い。

「あんまりごそごそするようなら、ベッドに縛り付けますよ」

「…分かったよ…」

こうまで言われては、もうベッドで寝ていることしか出来ない。

怪我をしてから四日たち、俺の傷は少しずつ良くなってきていた。

痛みも耐えられる程度に落ち着いており、痛み止めを飲んでおけば、多少は動くことが出来る。

しかし、フューニャが動かせてくれない。

ちょっとでもベッドを抜け出そうものなら、フューニャのレーダーが反応し、即座にベッドに引き戻される。

その上で、この脅しだ。

「良いですか、ルヴィアさん…。今度私に断りなく動き回っていたら、あなたの恥ずかしい写真を、あなたの同僚達にばらまきますから」

「…モラハラだ…」

「モラハラで結構。それが嫌なら大人しくしていなさい」

こう言われてしまうと、俺としてはもう、大人しくしている他にないので。

仕方なく、ベッドで退屈な時間を過ごしていた。

でも、こうして安静にしているお陰か…傷の治りも早かった。

そして、何より。

フューニャの献身的な看病のお陰であることは、言うまでもない。
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