The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
そうだ。ルヴィアの嫁は…。

ルヴィアに消臭スプレーを噴きまくったり、生け贄にしたり家畜にしたり、恐ろしいことを平気でやってのける女性だった。

そう思うと、少々びびってしまう。

それなのに、怖いもの知らずのルレイアは、

「以前、ルヴィアさんにセクシーなベビードールプレゼントされたでしょう?あれ、俺のアドバイスなんですよ」

「あら、そうなんですか。その節はありがとうございました」

「夫婦生活に刺激が欲しくなったら言ってくださいね。夫婦の夜のお供、大人のグッズなら格安で仕入れてあげるので。見たところお宅は女王様プレイが好きそうですから、そっち系のグッズも各種取り揃えておきますよ」

「ありがとうございます。いずれお世話になります」

なんて会話をしてるんだ、お前らは。

しかも、お世話になるつもりなのか。俺の部下を勝手に開発してくれるな。

やっぱりルレイアは置いてくるべきだった…と、今更後悔しても後の祭り。

「…ルヴィアの具合はどうだ?」

ルレイアを押し退けて、俺はルヴィアの嫁に尋ねた。

本来の目的を忘れてはいけない。俺はルヴィアを見舞いに来たのだ。

ルヴィアの嫁と、下世話な話をする為に来たのではない。

「ルヴィアさんですか?ルヴィアさんなら…今にも死にそうです」

「えっ!?」

俺は思わず、耳を疑った。

「死にかけです。あと一時間くらいしたら多分、棺桶の中だと思います」

「えっ…。そ、そうなのか?いや、まさか…。そんなに悪化したのか?」

「物凄く悪化してます。今走馬灯を見ているところです」

「…」

その割には…随分落ち着いてるようだが。

「…会っても良いか?少しだけで良いから…」

「…えぇ。どうぞ、上がってください」

あ、入れてくれるみたいだ。

俺とルレイアは、ルヴィアの自宅に上げてもらった。

「ルヴィアさん。上司さんが来ましたよ」

ルヴィアの嫁が、ルヴィアが寝ているらしい寝室に通してくれた。

ルヴィア…。本当に死にかけているのだろうか?

だとしたら、今すぐ病気に担ぎ込むが…。

「…あ、ルルシーさん…。ルレイアさんまで。わざわざご足労頂いてありがとうございます」

ベッドの上で、上半身を起こしたルヴィアが、笑顔で迎えてくれた。
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