The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
…俺の自宅にて、幹部五人で夕食を摂った後。

「ふんふふんふ~ん♪ポテポテポッテサラ~ズ~♪」

ルレイアは、何故か不気味なくらい上機嫌であった。

『ポテサラーズ』歌ってやがるし…。何なんだ一体。

大体、夕食後アイズもアリューシャもシュノも帰ったのに、ルレイアだけは当たり前のように帰らないしさ。

お前はいつから我が家の住人だよ。

もう突っ込むのも馬鹿らしいから、何も言わないが。

「何だよ、ルレイア…。気持ち悪いな。何がそんなに嬉しいんだ?」

「え~?気持ち悪いとは失礼な~。俺は今、とっても気分が良いんですよ~」

…?

ルレイアのことだから、数百個単位でチョコレートをもらえたことが嬉しい、なんて単純な理由で上機嫌になったりはすまい。

ハーレム会員が自分に貢ぐのは当然と思ってるくらいだからな。

じゃあ、他に理由は…?俺の飯を食べたから…?

でも、それはいつも食べてるしな…。

他にルレイアが上機嫌になる理由…。それも、ちょっと嬉しそう、なんてレベルじゃない。ルレイアがこんなに喜ぶことって…。

…。

「…まさか」

一つ思い当たって、俺はぞっとした。

「お前、帝国騎士団に何かしたのか…!?」

ルレイアがこんなに上機嫌になる理由。

帝国騎士団及び、オルタンス絡みとしか考えられない。

そして、案の定、

「さっすがルルシー。ご名答~♪」

「ご名答じゃない!何したんだお前?見境なく喧嘩を売って良い相手じゃ…!」

平時ならまだしも、今は『シュレディンガーの猫』との抗争で、『青薔薇連合会』も多少傷を負った直後。

今、帝国騎士団と争うのは得策ではない。

ルレイアだってそれは分かっているだろうに…。

「大丈夫、喧嘩を売ってはいません。俺は今日、愛の使者ですからね。オルタンスに日頃の感謝を込めて、『ちょっぴり』刺激的な愛のお裾分けをしてあげただけですよ」

「…お前、何したんだ…?」

なんだか…嫌な予感しかしないのだが…?
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