The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーーーー…にこにこするルレイアから話を聞いて、俺は卒倒しそうになった。

「オルタンスのチョコに、デスソースを仕込んだだって!?」

「えへっ★」

えへっじゃねぇ。何可愛く首を傾げてんだお前。

「馬鹿なことを…!ぶちギレたオルタンスに戦争仕掛けられたらどうするつもりなんだ!?」

いや、そもそも…食べずに捨てているという線の方が濃厚だが。

あの男なら無警戒に食べかねんから怖い。

誰か止めてくれ。アドルファス辺り。

「心配要りませんよ。あの男のことです。こういうものなんだと思って、きっと平然と食べてるでしょうよ…。そんなことは俺だって承知の上です」

「じ、じゃあ何で…」

「ん~…。聖バレンタインに、俺からオルタンスへの愛のプレゼントです」

めちゃくちゃ良い笑顔で、ルレイアはそう言ってくれた。

ちょっと刺激的とは…そういう意味だったのか。

送る方も命知らずだが、食べる方も相当命知らずだぞ。

「ルルシーのチョコみたいに、媚薬入れてやっても良かったんですよ。デスソースくらいで勘弁してやったんだから感謝して欲しいくらいです」

ふふん、と傲岸に足を組むルレイア。

まぁ…媚薬よりは、デスソースの方がまだましだが…。

「さぁルルシー!一緒にチョコを食べて、そして一緒に二人の愛の園に行きましょう!」

「あー、もう…。はいはい…」

頭が痛いので、俺は寝ます。

ルレイアのチョコは捨ててな。

このチョコは後で…ルレイア・ハーレムの会長、エリュシアにでも渡しておこう…。

上機嫌のルレイアにくっつかれ、それを引き剥がしを繰り返す…俺のいつも通りな日常の、バレンタインであった。
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