The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
全力ダッシュで学校に駆けつけ、教室の扉を勢いよく開ける。

…セーフである。

「おー、間に合ったか。おはよ、ルナニア」

先に来ていた友人のエルスキー・ミルヴァーレンが、頬杖をついて俺にで手を振った。

ちなみにこの人、俺に目覚まし時計をくれた件の友人である。

「ふっ。俺の全力ダッシュをもってしたら、余裕ですよ」

とは言いつつも、ちょっと危なかったが。

「ったく。今日も遅刻ギリギリじゃない。もっと早く起きろっていつも言ってるでしょ」

後ろから声がして振り向くと、そこには腰に手を当ててむすっ、とするクラスメイトがいた。

彼女の名前は、ミューリア・エルレアス。彼女もエルスキーと同じく、俺と仲の良い友人の一人だ。

「この間みたいに遅刻したら、またティモニーに怒られるわよ」

「ぐぬぬ…」

確かに。

以前ギリギリで遅刻してしまったとき、クラス委員長のティモニー・ファルム・グラディウスにこっぴどく怒られたことを思い出した。

あのような経験は…二度としたくない。

と、そこに。

「まぁまぁ、でもルナニアは俺より全然ましだよ!俺は遅刻だけでなく、宿題も忘れるからね!」

お調子者の友人、アシベル・ウィシナー・カルトヴェリアがやって来た。

彼も遅刻常習犯だが、今日は俺より早かったらしいな。

「自慢げに言うんじゃないのよ、馬鹿」

おどけるアシベルの頭を、軽くはたくミューリア。

しかしミューリアにはたかれようとも、アシベルはぺろっと舌を出すだけ。全く反省していない。

まぁ、これで反省するアシベルではないからな。

「ほら、ルナニアもそろそろ席に着けよ。騒がしくすんな、ってまたティモニーに怒られるぞ」

「はい」

エルスキーに促され、俺は自分の席に着いた。
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