The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

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 Ⅰ (4/39)

俺の名前は、ルナニア・ファーシュバル。17歳。

ルティス帝国帝都の外れにある、私立ランドエルス騎士官学校の、四年生である。

少し、我が校の説明をしておくとしよう。

我がランドエルス騎士官学校は、その名前から分かるように、ルティス帝国内にたくさんある騎士官学校の一つである。

騎士官学校と言えば、帝都の中心にある超名門校、帝立帝国騎士官学校が非常に有名であるが。

偏差値で言えば、このランドエルスは、帝国騎士官学校の…精々、足首に及ぶくらい。

一括りに騎士官学校と言っても、レベルはピンからキリまで。帝国騎士官学校のように国内最高峰の教育機関もあれば、うちのようにそこそこの生徒が集まる騎士官学校もある。

まず、うちは私立だからな。帝国に支えられた公立の学校とはレベルが違う。

そんなに悪くもないけど、別に良くもない。そんないくらでもある、中堅騎士官学校の一つだった。

しかし、ランドエルスは実は結構有名な学校だ。

というのも、うちの学校は、他の騎士官学校とは校風が大きく違っているのだ。

帝国騎士官学校がそうであるように、大抵騎士官学校と言えば、非常に堅い校風で、上下関係が厳しく、校則も厳格に決められていることが多い。

騎士官学校は、女王の膝元につき、国の中枢を担う帝国騎士を養成する為の学校。それを思えば、規律が厳しいのは当然のことではあるが。

しかしランドエルスは、とても自由な校風であった。

先程も、俺やアシベルが遅刻したり宿題を忘れたり(俺は忘れてないけど)、なんて話をしていたけど。

こんなこと、他の騎士官学校では考えられないことだろう。

時間が守れない、課題を期限内に提出出来ないとは何事か、と怒鳴られるのは当たり前。

怒鳴られるだけならまだ良い。騎士官学校は、その軍隊式の校則から、体罰を容認していることも多かったから。

ぶん殴られて吹っ飛ばされたとしても、文句は言えなかった。

その点騎士官学校は時代に逆行していると言えるが、これはルティス帝国を長らく守ってきた帝国騎士団と、彼らを養成した多くの騎士官学校の伝統であり、これを改革するというのは、国の伝統に逆らうことに等しかった。

つまるところ、騎士官学校ってのは厳しいところなのが当たり前。という一般的な共通認識があった訳だ。

しかし我がランドエルスは、この伝統から逸脱している、とも言える珍しい騎士官学校であった。





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