The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
会合は、殺伐とした雰囲気のまま終わった。

もとはと言えば敵同士なのだから、和やかに終わる方がおかしいのだが。

帰りの車中で、俺達は今後の対策について会議した。

「さっき言ったように、これからしばらくは、帝国騎士団と情報を共有することになる。最優先すべきは、『シュレディンガーの猫』の拠点を探すことだね」

と、アイズ。

拠点ねぇ…。

「ランドエルス騎士官学校にいる『シュレディンガーの猫』の構成員を、何とか見つけられれば良いんだけど…」

「そうですねぇ…。俺もそろそろ本腰入れないといけませんね」

「無理しなくて良いから。くれぐれも気を付けて」

「はーい」

呑気な返事を返すと、心配性のルルシーが顔をしかめた。

「お前、本当に分かってるのか?無理をするなよ。奴ら、やり口が残酷なことで有名なんだからな?お前の実力を疑う訳じゃないが、不意討ちされることがあったら…」

「分かってますよ。死んだらルルシーと結婚も出来ませんし。ちゃんと気を付けますから」

「…」

無言で視線を逸らすルルシー。

あれ?ルルシーの態度が何だかよそよそしい。

「帝国騎士団にまで宣言しちまったしな。こりゃ結婚待ったなしだな、ルル公」

「やめろ…」

ルルシーは嘆くようにそう言って、天を仰いでいた。

きっと俺とのハネムーンが楽しみ堪らないのだろう。

ルルシーの為にも、俺も頑張らなくては。
< 73 / 561 >

この作品をシェア

pagetop