The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「やったぁぁぁ!また二人と同じクラス~!」

「また一年、宜しくな」

「…」

あぁ、呪わしきランドエルス騎士官学校の教師達よ。

余計な気遣いをしよって。

何でまた、こいつらと同じクラスなのか。

しかも。

「またあんた達なの?もう見飽きたわよ」

「おっ、我らが女王様!今年も宜しくお願いします!」

ミューリアとかいう糞女。こいつまで同じクラス。

そして。

「アシベル君。そんな大きな声を出すものじゃない。君は伯父上の名前を背負ってるんだって自覚がなさ過ぎる」

くどくど説教するティモニー。見覚えのある連中ばかりだ。

本当にクラス替えしたのか?

「…見知った皆さんばかりで、あんまり新鮮味がないですね」

これにはさすがの俺も、ルレイアの顔がちょっぴり見え隠れしてしまった。

軽い嫌味を言ったつもりだったのだが、俺をルナニアと信じて疑っていない彼らは、全く気づかない。

「でも、結構新しい子いるよ。噂では、去年6組にいた美女がうちのクラスだって」

「アシベル君。その発言は品位に欠けるよ」

「全くだわ。もっと言ってやりなさいティモニー」

「ひぇっ」

ティモニーとミューリアに怒られて、俺の後ろに隠れようとするアシベル。

あぁ、イライラが溜まる。

またこんな不毛なやり取りをしなければならないかと思うと…。

すると突然、アシベルが教室の入り口を指差して声をあげた。

「…あっ、見て見て!ほら、あの子!」

「は?」

「去年6組にいた美女!」

アシベルの指差した方向を見て、俺は身体が固まった。
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