ヤンデレアイドルくん
◇初めまして
トンットンットンッ
玄関に入ると包丁がリズムに乗って野菜を切っていく音が台所から聞こえる
「ただいまぁー、今日お母さんがご飯作ってるんだ。」
「うん、、、たまにはね、、、」
私の問いかけに対して歯切れの悪い答えが返って来る
けどそんなことどうでも良い
今日はお母さんが家にいてましてや料理を作ってくれている
それだけで私の心はあったまる
本当に私は単純だななんて自虐的に笑う
「どうしたの?何かいいことでもあった?」
私が笑っていたのに気づいたんだろう
わたしはありったけの笑顔を顔に浮かべて
「うん!だってお母さんが家にいるもん!!」
お母さんの顔が綻ぶ。幸せだ。