年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「私、お父様とお母様に愛されたかった。お前は劣っているって裏で言われるたびに、悔しくて苦しくて。……だから、イライジャ様を奪えば私の方が優れているって、示すことが出来ると思ったの……!」
「……そう」
「でも、結局イライジャ様にも捨てられて、家は没落して。辛かった。なのに……何処となく、清々しかった」
それだけを告げて、顔を上げたエリカの表情は……とても、可愛らしくて本当に清々しそうだった。まるで、憑き物が落ちたかのような。そんな雰囲気。
「あぁ、もう無理をしなくていいんだ。自分を偽らなくていいんだ。お義姉様への罪悪感で潰されなくていいんだ。……そう、思えたの」
「……エリカ」
「私、お義姉様のこと怖かった。なんでも出来て、私のことを置いていく。本当は私――お義姉様に、憧れていた」
エリカはそう言うと、私にもう一度縋ってくる。……この時、私はさらにこの子のことを守ろうって思えた。お父様とお義母様のことは、正直どうでもいい。でも、この子だけは。弱いこの子だけは、守らなくちゃって。
「エリカ。大丈夫。私が、貴女のことを守ってあげる」
上から目線の言葉だった。きっと、前までのエリカだったら怒っていただろう言葉。それでも、エリカは怒ることなくただ一言「ありがとう」とはにかみながら言ってくれる。
「……お義姉様、私――」
エリカが、何かを私に告げようとした時だった。不意に、サイラスさんがこっちに駆けてくる。そして「……貴女に、お届け物です」と言ってエリカに対し真っ赤な箱を見せてくれた。……お届け物? 一体、何? というか、どうして――……。
「……そう」
「でも、結局イライジャ様にも捨てられて、家は没落して。辛かった。なのに……何処となく、清々しかった」
それだけを告げて、顔を上げたエリカの表情は……とても、可愛らしくて本当に清々しそうだった。まるで、憑き物が落ちたかのような。そんな雰囲気。
「あぁ、もう無理をしなくていいんだ。自分を偽らなくていいんだ。お義姉様への罪悪感で潰されなくていいんだ。……そう、思えたの」
「……エリカ」
「私、お義姉様のこと怖かった。なんでも出来て、私のことを置いていく。本当は私――お義姉様に、憧れていた」
エリカはそう言うと、私にもう一度縋ってくる。……この時、私はさらにこの子のことを守ろうって思えた。お父様とお義母様のことは、正直どうでもいい。でも、この子だけは。弱いこの子だけは、守らなくちゃって。
「エリカ。大丈夫。私が、貴女のことを守ってあげる」
上から目線の言葉だった。きっと、前までのエリカだったら怒っていただろう言葉。それでも、エリカは怒ることなくただ一言「ありがとう」とはにかみながら言ってくれる。
「……お義姉様、私――」
エリカが、何かを私に告げようとした時だった。不意に、サイラスさんがこっちに駆けてくる。そして「……貴女に、お届け物です」と言ってエリカに対し真っ赤な箱を見せてくれた。……お届け物? 一体、何? というか、どうして――……。