年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第11話 異母妹との日々(3)
それから十分後。私たちはパニックになったエリカを一旦客間に連れて行き、寝かせていた。寝台に横になったエリカは、とても可愛らしい寝顔をしていて。……私の手を放すまいと握る手が、とても愛おしかった。……不思議、だった。あんなにも意地悪だった異母妹が、こんな風に私に頼ってくることが。
その後しばらくして、ギルバート様が客間にやってこられる。そして「エリカ嬢は、大丈夫か?」と問いかけてくださった。もちろん、静かな声で。
「はい。少しパニックになっていましたが、今は眠っています」
私はエリカの手を握り返しながら、ギルバート様にそう返事をする。よくよく見れば、エリカはあまり眠れていないのか、目の下に隈があった。……多分、お化粧で隠していたのね。そのお化粧が、泣いたことにより取れてしまった。
「……そうか。俺は、エリカ嬢のことがあまり好きではないが、弱っている女を放り出すことは出来ないな」
ギルバート様はそうおっしゃって、私のすぐ横の椅子に腰かけられる。でも、すぐに「……俺が、エリカ嬢の寝顔を見るわけにはいかないか」なんて零されて、遠くに移動されていた。
「……サイラス。エリカ嬢に届いた荷物は、どんなものだ?」
「真っ赤な箱でございました。ついでに言うのならば、綺麗にラッピングされていたのでプレゼントかと」
サイラスさんはギルバート様の問いかけに、そう答える。プレゼント、か。
「……多分ですが、エリカはストーカー被害に遭っているのだと思います」
私は、エリカの髪を撫でながらそう告げる。エリカの訴えは、多分本当。こんな時にまで嘘をつくような子じゃない。私は、そう信じている。
それに、ストーカーだとすれば納得がいくのだ。エリカの居場所を知っていたことも、エリカがあんなにも怯えていたことも。
その後しばらくして、ギルバート様が客間にやってこられる。そして「エリカ嬢は、大丈夫か?」と問いかけてくださった。もちろん、静かな声で。
「はい。少しパニックになっていましたが、今は眠っています」
私はエリカの手を握り返しながら、ギルバート様にそう返事をする。よくよく見れば、エリカはあまり眠れていないのか、目の下に隈があった。……多分、お化粧で隠していたのね。そのお化粧が、泣いたことにより取れてしまった。
「……そうか。俺は、エリカ嬢のことがあまり好きではないが、弱っている女を放り出すことは出来ないな」
ギルバート様はそうおっしゃって、私のすぐ横の椅子に腰かけられる。でも、すぐに「……俺が、エリカ嬢の寝顔を見るわけにはいかないか」なんて零されて、遠くに移動されていた。
「……サイラス。エリカ嬢に届いた荷物は、どんなものだ?」
「真っ赤な箱でございました。ついでに言うのならば、綺麗にラッピングされていたのでプレゼントかと」
サイラスさんはギルバート様の問いかけに、そう答える。プレゼント、か。
「……多分ですが、エリカはストーカー被害に遭っているのだと思います」
私は、エリカの髪を撫でながらそう告げる。エリカの訴えは、多分本当。こんな時にまで嘘をつくような子じゃない。私は、そう信じている。
それに、ストーカーだとすれば納得がいくのだ。エリカの居場所を知っていたことも、エリカがあんなにも怯えていたことも。