年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第12話 異母妹との日々(4)
「……私が、ですか?」
マリンは私の言葉に、驚いたような声音でそう返してくる。だから、私は静かに頷いた。
多分だけれど、このお屋敷でエリカのことを好意的に思っている人は、ほとんどいない。それは、分かっている。でも、マリンは違った。マリンはエリカのことをそこまで悪く思っていない。そのため、エリカの世話役兼護衛にするにはぴったりだと思った。
「……お願い、出来る?」
どんな返答が来るかが怖くて、私は恐る恐るマリンにそう問いかけてみる。すると、マリンは「……かしこまりました」と言って一礼をしてくれた。それを、クレアは微妙な表情で見つめている。……やっぱり、クレアはエリカのことを好意的には見ていないのね。
時計を見れば、もうそろそろ次の予定の時間だった。だから、私はゆっくりと立ち上がり、エリカの手を離そうとした。でも……エリカが、ぎゅっと手を掴んでくる。それはまるで「行かないで」と伝えてきているようで。
「……エリカ。すぐに、戻ってくるからね」
だけど、次の予定をすっぽかすわけにはいかない。そういう意味で、私はエリカにそう声をかけて手を振りほどいた。そのまま、クレアを連れて次の予定である、花嫁修業の家庭教師が待つお部屋に向かう。マリンには、エリカの側に居てほしいという意思を伝えたので、彼女はこの客間に残ってくれている。
マリンは私の言葉に、驚いたような声音でそう返してくる。だから、私は静かに頷いた。
多分だけれど、このお屋敷でエリカのことを好意的に思っている人は、ほとんどいない。それは、分かっている。でも、マリンは違った。マリンはエリカのことをそこまで悪く思っていない。そのため、エリカの世話役兼護衛にするにはぴったりだと思った。
「……お願い、出来る?」
どんな返答が来るかが怖くて、私は恐る恐るマリンにそう問いかけてみる。すると、マリンは「……かしこまりました」と言って一礼をしてくれた。それを、クレアは微妙な表情で見つめている。……やっぱり、クレアはエリカのことを好意的には見ていないのね。
時計を見れば、もうそろそろ次の予定の時間だった。だから、私はゆっくりと立ち上がり、エリカの手を離そうとした。でも……エリカが、ぎゅっと手を掴んでくる。それはまるで「行かないで」と伝えてきているようで。
「……エリカ。すぐに、戻ってくるからね」
だけど、次の予定をすっぽかすわけにはいかない。そういう意味で、私はエリカにそう声をかけて手を振りほどいた。そのまま、クレアを連れて次の予定である、花嫁修業の家庭教師が待つお部屋に向かう。マリンには、エリカの側に居てほしいという意思を伝えたので、彼女はこの客間に残ってくれている。