元カレ救命医に娘ともども愛されています
約束の日、普段とはテイストの違うドレッシーなワンピースを着た。やはり私もそれなりに浮かれているようだ。
幸い、会社では誰にもつっこまれなかったけれど、きっかり定時に上がった私を見れば、鋭い女子たちは婚活ではと噂くらいはたてそうだ。
今時、アラサーで結婚を焦るのも変だ。だけど、恋をしたい女子たちは、出会いがなければマッチングアプリや婚活サイトに登録するものらしい。私も何度か婚活パーティーに誘われたりしたものの、一度も出かけたことはない。
いや、今日だって後輩と出かけるだけで、デートというわけではないのだ。
平常心、平常心。
心の中で何度も唱えながら、予約の店に向かった。池袋にある気楽な雰囲気のイタリアンは、大学生くらいの若者や、会社帰りの人たちでにぎわっていた。飾らない店がいいと頼んで、こういった店を選んでくれた円城寺くんは気が利いている。
これならデートっぽくない。友人同士の食事の雰囲気だろう。
円城寺くんは先に到着していた。
「月子さん」
「お待たせ。仕事大丈夫?」
「今日は夜勤明けなので、非番です」
「眠いんじゃないの?」
「仮眠はとってきましたよ」
にっこり笑う彼はさわやかで、包容力のある笑顔に、あらためて大人になったなと感じた。
「ここはなんでも美味しいですよ。パスタもピザも頼んで、シェアしましょうか」
「そうだね。お腹が空いてるからたくさん食べられそうだよ」
お腹を撫でて言うと、彼が目を細めた。
「月子さん、細身のわりによく食べるんですよね。変わってなくて嬉しいです」
大学生時代を思い出しているようなまなざしがくすぐったくて、私は目をそらした。
「注文したら、近況報告会をしましょう。何年も会ってなかったし」
「ええ」
幸い、会社では誰にもつっこまれなかったけれど、きっかり定時に上がった私を見れば、鋭い女子たちは婚活ではと噂くらいはたてそうだ。
今時、アラサーで結婚を焦るのも変だ。だけど、恋をしたい女子たちは、出会いがなければマッチングアプリや婚活サイトに登録するものらしい。私も何度か婚活パーティーに誘われたりしたものの、一度も出かけたことはない。
いや、今日だって後輩と出かけるだけで、デートというわけではないのだ。
平常心、平常心。
心の中で何度も唱えながら、予約の店に向かった。池袋にある気楽な雰囲気のイタリアンは、大学生くらいの若者や、会社帰りの人たちでにぎわっていた。飾らない店がいいと頼んで、こういった店を選んでくれた円城寺くんは気が利いている。
これならデートっぽくない。友人同士の食事の雰囲気だろう。
円城寺くんは先に到着していた。
「月子さん」
「お待たせ。仕事大丈夫?」
「今日は夜勤明けなので、非番です」
「眠いんじゃないの?」
「仮眠はとってきましたよ」
にっこり笑う彼はさわやかで、包容力のある笑顔に、あらためて大人になったなと感じた。
「ここはなんでも美味しいですよ。パスタもピザも頼んで、シェアしましょうか」
「そうだね。お腹が空いてるからたくさん食べられそうだよ」
お腹を撫でて言うと、彼が目を細めた。
「月子さん、細身のわりによく食べるんですよね。変わってなくて嬉しいです」
大学生時代を思い出しているようなまなざしがくすぐったくて、私は目をそらした。
「注文したら、近況報告会をしましょう。何年も会ってなかったし」
「ええ」