元カレ救命医に娘ともども愛されています
翌週の土曜日は和馬の三十一歳の誕生日。この日のお祝いをしてから、元の家に戻るつもりだったので、三人で出かける予定にしていた。
都内の動物園は、休日ということもあり家族連れで混み合っていた。観光客の外国人の姿も多い。ベビーカーと抱っこ紐を用意しているけれど、真優紀はぱたぱたと走って行ってしまう。一歳半、運動神経がぐっと発達したように思う。
「待って、待って」
私は追いかけて真優紀を捕まえる。しかし、真優紀は「やっ!」と腕を振り払い、人込みを縫うように走っていく。
「もう、あの子ときたら公園と同じ気持ちね」
「真優紀の視界じゃ、動物が見えないからなあ。抱っこして見せてあげたいんだけど」
動物園に入った瞬間から、真優紀は運動場だと思っているようでひたすら走り回っている。
「前、水族館に行ったときは落ち着いて見ていられたんだけど、考えてみたらまだやっと一歳の頃だもんね。走り回れたらそっちの方が楽しいのかな」
「よし、真優紀に動物園の楽しさを教えよう」
和馬はそう言って、駆けまわる真優紀をさっとつかまえる。
「やーら! やー!」
手足を振り回して暴れる真優紀をしばらく空いた場所であやす和馬。真優紀が駆けまわるよりパパの方がいいぞという顔になったところで、近くの虎のケージに近寄った。強化ガラスの向こう、茂みの中で虎が寝ている。
「真優紀、虎だよ。見えるかな」
都内の動物園は、休日ということもあり家族連れで混み合っていた。観光客の外国人の姿も多い。ベビーカーと抱っこ紐を用意しているけれど、真優紀はぱたぱたと走って行ってしまう。一歳半、運動神経がぐっと発達したように思う。
「待って、待って」
私は追いかけて真優紀を捕まえる。しかし、真優紀は「やっ!」と腕を振り払い、人込みを縫うように走っていく。
「もう、あの子ときたら公園と同じ気持ちね」
「真優紀の視界じゃ、動物が見えないからなあ。抱っこして見せてあげたいんだけど」
動物園に入った瞬間から、真優紀は運動場だと思っているようでひたすら走り回っている。
「前、水族館に行ったときは落ち着いて見ていられたんだけど、考えてみたらまだやっと一歳の頃だもんね。走り回れたらそっちの方が楽しいのかな」
「よし、真優紀に動物園の楽しさを教えよう」
和馬はそう言って、駆けまわる真優紀をさっとつかまえる。
「やーら! やー!」
手足を振り回して暴れる真優紀をしばらく空いた場所であやす和馬。真優紀が駆けまわるよりパパの方がいいぞという顔になったところで、近くの虎のケージに近寄った。強化ガラスの向こう、茂みの中で虎が寝ている。
「真優紀、虎だよ。見えるかな」