元カレ救命医に娘ともども愛されています

「うん。結婚式しようか。家族だけのささやかな式にしてね。みんなで笑って、写真をたくさん撮って、最高の記念にしよう」

私はそう言って、フロントガラスにうつる青い秋の空を眺めた。

「私、しまってある一眼レフを出してくるから、和馬も用意してよ」
「ああ、新郎新婦が写真を撮りまくるっていうのも楽しいよな」

それから和馬は悪戯っぽく口の端を引き上げた。

「そうそう、月子と真優紀にはとびきり綺麗で可愛いドレスを着てもらうよ。俺のためにね」
「和馬もとびきり格好よくなってくれなきゃ駄目だよ。私がばっちり撮ってあげる。タキシードがいいなあ。でも、和装も似合いそう」
「着物だと真優紀の世話が大変かもしれないな。待ってくれ、そろそろ真優紀の七五三も考えなきゃいけないんじゃないか？」
「イベント目白押しね」

未来は希望で溢れ、楽しいことだらけに違いない。そのひとつひとつを、家族みんなで楽しんでいこう。
私たちのそんな姿を天国の両親も見ていてくれるのではないだろうか。