元カレ救命医に娘ともども愛されています
空気が温かくなってきた三月のある日、都内のホテルには私たちの親族が集まっていた。
琴絵さんと浅岡さんはふたりともスーツ姿だ。浅岡さんは普段スーツを着ないので、琴絵さんが見たてたと言っていた。
父方も母方も祖父母は高齢で遠方に住んでいるため、今日はお祝いの電報をもらっている。今日の写真をアルバムにして送るつもりだ。
和馬の親族として、お父さんと翔馬さん。翔馬さんは今日のために帰国し、駆けつけてくれた。お父さんはまだ居心地悪そうだったけれど、翔馬さんが明るく挨拶をし、「ほら、親父も」とお父さんを引っ張ってくれるので、仕方ないといった表情で参列してくれている。
長らく連絡を取っていなかったお母さんからもお祝いの電報をいただいているそうだ。
私と和馬はそれぞれウエディングドレスとタキシードを身にまとい、部屋の中央にいる。和馬の腕の中に真っ白なレースのドレスを着た真優紀。
実は、ドレスも髪飾りのリボンも窮屈だと嫌がったのだけれど、和馬とふたりで「お姫様みたい」と必死に褒めたら着てくれた。最後は鏡の前でくるくる回っていたので気分はすっかりプリンセスといったところだろうか。
「今日は私たちの結婚式に集まっていただきありがとうございます」
和馬の挨拶にそれぞれの家族から拍手が起こる。
小さな小さな家族の挙式は、人前式の形式で行い、写真撮影、食事会という流れだ。これらすべての瞬間で真優紀が全力ではしゃいでいた。
結婚証明書にサインをするというのが誓いの儀式だったのだけれど、真優紀は自分でも書きたがり、私たちのサインの上に黒いペンでぐるぐる円を書いてサインしてくれた。
琴絵さんと浅岡さんはふたりともスーツ姿だ。浅岡さんは普段スーツを着ないので、琴絵さんが見たてたと言っていた。
父方も母方も祖父母は高齢で遠方に住んでいるため、今日はお祝いの電報をもらっている。今日の写真をアルバムにして送るつもりだ。
和馬の親族として、お父さんと翔馬さん。翔馬さんは今日のために帰国し、駆けつけてくれた。お父さんはまだ居心地悪そうだったけれど、翔馬さんが明るく挨拶をし、「ほら、親父も」とお父さんを引っ張ってくれるので、仕方ないといった表情で参列してくれている。
長らく連絡を取っていなかったお母さんからもお祝いの電報をいただいているそうだ。
私と和馬はそれぞれウエディングドレスとタキシードを身にまとい、部屋の中央にいる。和馬の腕の中に真っ白なレースのドレスを着た真優紀。
実は、ドレスも髪飾りのリボンも窮屈だと嫌がったのだけれど、和馬とふたりで「お姫様みたい」と必死に褒めたら着てくれた。最後は鏡の前でくるくる回っていたので気分はすっかりプリンセスといったところだろうか。
「今日は私たちの結婚式に集まっていただきありがとうございます」
和馬の挨拶にそれぞれの家族から拍手が起こる。
小さな小さな家族の挙式は、人前式の形式で行い、写真撮影、食事会という流れだ。これらすべての瞬間で真優紀が全力ではしゃいでいた。
結婚証明書にサインをするというのが誓いの儀式だったのだけれど、真優紀は自分でも書きたがり、私たちのサインの上に黒いペンでぐるぐる円を書いてサインしてくれた。