元カレ救命医に娘ともども愛されています
再び真優紀をぎゅっと抱きしめてから、和馬の腕に返そうとすると、一瞬和馬が私ごと力強く抱きしめた。休日とはいえ会社の前なので、少々焦ってしまう。
「なあに、和馬。驚いたよ」
抱擁から離れ、ほてる頬を押さえて言うと、和馬が格別に優しく甘い瞳で私を見つめている。
「仕事中の月子は綺麗だなって、思わずね。愛してるよ、月子」
「ふふ、私も愛してる」
書類ケースを手に、名残惜しいけれどふたりから離れる。
「気を付けて帰ってね」
「ああ、月子、仕事頑張って」
仲良く帰路につくふたりの背中を眺めて、私は幸福のため息をついた。
私と和馬の恋は、大学時代にゆっくり始まった。再会し、燃え上がり、様々なことを経て真優紀を授かりつつ離れた。
すれ違い、試練を乗り越え、もう一度家族としてやり直そうと誓った。
遠回りだったかもしれない。だけど、私たちが歩いてきた道は、特別な愛の記憶。
きっと、すべてが必要なことだった。
新しい時間と歴史はここから積み重ねていきたい。
和馬と真優紀とともに。
(おしまい)
「なあに、和馬。驚いたよ」
抱擁から離れ、ほてる頬を押さえて言うと、和馬が格別に優しく甘い瞳で私を見つめている。
「仕事中の月子は綺麗だなって、思わずね。愛してるよ、月子」
「ふふ、私も愛してる」
書類ケースを手に、名残惜しいけれどふたりから離れる。
「気を付けて帰ってね」
「ああ、月子、仕事頑張って」
仲良く帰路につくふたりの背中を眺めて、私は幸福のため息をついた。
私と和馬の恋は、大学時代にゆっくり始まった。再会し、燃え上がり、様々なことを経て真優紀を授かりつつ離れた。
すれ違い、試練を乗り越え、もう一度家族としてやり直そうと誓った。
遠回りだったかもしれない。だけど、私たちが歩いてきた道は、特別な愛の記憶。
きっと、すべてが必要なことだった。
新しい時間と歴史はここから積み重ねていきたい。
和馬と真優紀とともに。
(おしまい)