元カレ救命医に娘ともども愛されています
「気が早いなあ」
「俺は本気だよ」

身体を起こした私に、和馬が真剣な瞳を向ける。

「まだ付き合ってそんなに経ってない。だけど、俺は月子と結婚を考えてる」
「和馬……」
「月子はどう? 考えられないかな」

返答に困って私は和馬の首に腕をまわして抱きついた。喜び絶妙な不安。なんて言えば伝わるだろうと考えて、和馬に耳打ちした。

「正直に言えば、すぐに結婚はちょっと悩む」
「……そう」
「だけど、結婚するなら和馬以外考えられない」

和馬が感極まったように私の名をささやき、唇を重ねてきた。何度も何度も角度を変えてキスをされる。

「ちょっと、和馬……」
「やっぱり帰したくない」

キスに流されまいと必死に腕を突っ張るけれど、抱きすくめられ、ベッドに押し倒されてしまう。

「和馬、終電なくなっちゃう」
「なくなってもいいだろ」

キスの雨の中、サイドボードで私のスマホが振動した。キスを中断させ、スマホを手に取ると琴絵さんからのメッセージだ。

「ええと【今夜は浅岡の家に泊まります】だって」
「浅岡さんって、月子の叔母さんの恋人?」
「そう」

和馬が目を細め、ふっと笑った。その笑顔は企んでいるような悪い笑顔なのに、たまらなくセクシーだ。

「今日、帰る理由がなくなっちゃったな」
「そう……みたい……んん」

言葉は途中からキスでふさがれてしまう。もう抗えない。私は和馬の首に腕を回し、彼のキスと甘やかな愛撫を受け入れた。

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