元カレ救命医に娘ともども愛されています
読み上げて、手紙をたたんだ。寵愛とは恐れ入る。私と和馬はよほど対等な存在でないと言いたいようだ。
「和馬のことが大好きで周りが見えなくなっているのかもしれないけど、こういう人に敵視されるのは御免だわ。私と真優紀はもうあなたとは会わない」
言葉を切って、コーヒーをひと口飲む。
「あの麗亜さんと結婚したらいいんじゃない? 少なくとも彼女は和馬を恋愛感情で見ている。政略結婚だとは思っていないもの。和馬に尽くしてくれるし、いい関係が築ける。大企業の令嬢だし、お父さんの病院も安泰でしょう」
口にしてみて、やはりメリットの多い結婚なのだと思った。
和馬が父親やあちらの親族に詫びれば、麗亜さん自身の希望は強いのだし、結婚に軌道修正できるのではないだろうか。
和馬がまっすぐに私を見ているのに気付いた。真剣な面持ちに、私はわざと苦笑いを返した。
「彼女に伝えて。もう、和馬には近づかないって」
「いや、彼女には改めて結婚できないと断ってきた」
和馬の言葉に私は目を見開いた。和馬は続ける。
「昨日、峯田家に正式に断りの挨拶に行ったよ。あちらの親御さんからは不誠実だと罵られたけれど、以前から結婚できないとは伝えていたからね。うちの父がゴリ押ししていたから、向こうに期待を持たせてしまった。その点を詫びたよ」
「あなたのお父さんは?」
「久しぶりに父とも話してきた。怒り心頭で話が通じなかったけれど、月子以外とは結婚しないと宣言してきた」
私は立ち上がった。
「肝心なことを忘れてる。私は和馬とよりを戻す気はない」
「和馬のことが大好きで周りが見えなくなっているのかもしれないけど、こういう人に敵視されるのは御免だわ。私と真優紀はもうあなたとは会わない」
言葉を切って、コーヒーをひと口飲む。
「あの麗亜さんと結婚したらいいんじゃない? 少なくとも彼女は和馬を恋愛感情で見ている。政略結婚だとは思っていないもの。和馬に尽くしてくれるし、いい関係が築ける。大企業の令嬢だし、お父さんの病院も安泰でしょう」
口にしてみて、やはりメリットの多い結婚なのだと思った。
和馬が父親やあちらの親族に詫びれば、麗亜さん自身の希望は強いのだし、結婚に軌道修正できるのではないだろうか。
和馬がまっすぐに私を見ているのに気付いた。真剣な面持ちに、私はわざと苦笑いを返した。
「彼女に伝えて。もう、和馬には近づかないって」
「いや、彼女には改めて結婚できないと断ってきた」
和馬の言葉に私は目を見開いた。和馬は続ける。
「昨日、峯田家に正式に断りの挨拶に行ったよ。あちらの親御さんからは不誠実だと罵られたけれど、以前から結婚できないとは伝えていたからね。うちの父がゴリ押ししていたから、向こうに期待を持たせてしまった。その点を詫びたよ」
「あなたのお父さんは?」
「久しぶりに父とも話してきた。怒り心頭で話が通じなかったけれど、月子以外とは結婚しないと宣言してきた」
私は立ち上がった。
「肝心なことを忘れてる。私は和馬とよりを戻す気はない」