元カレ救命医に娘ともども愛されています

どうしてこの人はここまで真っすぐなのだろう。まず努力してみようと思える彼は、私のように物事の前に躊躇してしまう人間とは違う。そんなところが眩しくて、惹かれていた。

「月子に認めてもらえるようになるまで頑張るよ。まずは、部屋掃除からかな」
「もう……和馬らしいよ」

泣きそうな気持ちのまま笑ったら、変な顔になってしまったように思う。私の表情の変化に和馬が目をみはり、それから嬉しそうに笑った。
真優紀は、その後二日間熱が下がらず、咳も苦しそうだった。幸いなことに薬の効果か徐々に咳が減り、健やかに回復していった。十日ほど保育園を休ませ、私と琴絵さんは交代で仕事を休んで看護にあたった。一日ずつ和馬と浅岡さんが来てくれたので、実質私と琴絵さんのお休みは二日程度で済んだ。育児の手が多くあると助かるのだと今回の件で実感した。
私は例のプロジェクトが始まっていたため、いっそう周囲に感謝をしたのだった。