寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………、」
とぼとぼと、歩いた先。
見えてきた、我が家。
重くなった自分の足を、どうにか引きずって、玄関のドアを押し開けた。
ーーーー待ち受ける、悪夢も知らず。
「お帰りなさい、茉莉ちゃん?」
悪魔は、私に、にたりと微笑む。
「っっ、」
ドアを開ければ、お母さんが立っていて。
私は、ぞわりと身体を粟立たせる。
な、んで、お母さんが。
ま、ってたの?
………………私を。