寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「なぁに、お母さん、お父さん?」
ひっそりと、心の中で血の涙を流しながら、私はそれでも2人に微笑む。
だって、ほら。
それが、貴方達が望んだ理想の子供でしょう?
だから、演じるの。
………………とんなに、辛くても。
「ふふ、それが、貴方達が望んだ事だもんね?」
愚かな両親を嘲笑う。
ねぇ、莉茉。
分からなくなるの。
本当の自分がなんなのか。
段々と危うい均衡は崩され、追い詰められた私の精神は壊れていった。