寵愛の姫 Ⅳ


「………………、ここは、どこ…?」



気が付いたら、自分の全く知らない場所にいて。









暗くて。




真っ暗な闇の中に佇んでいた。








周囲には、なにもなく、誰もいない。



「っっ、暁っ!?」



いくら叫んでも、愛おしい人の姿はなく、声も聞こえてくる事はなかった。



「………………私…。」



ぽつりと呟いた私の声が、このシンとした広い空間に、虚しく響く。







その現実に、ぞくりと身体を震わせた。
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