寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「………………誰…?」

「「………。」」



目を瞬かせる、2人の子供達は顔を見合わせる。



「僕達に名前はないよ?」

「うん、ない。」



屈託なく笑う2人に、私は驚く。



「………名前がない?」

「うん、これからもらえるの。」




にっこりと微笑んだ男の子が、私の手を取って握り締めた。
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