寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「ねぇ、皆が待ってるよ?」

「………え?」



みん、な…?






それって…。









困惑する私の左手を、やっばり、もう一人の男の子が握り締める。



「早く、目を覚まさないと。」

「………。」



屈託なく笑う男の子を、じっと見つめれば、何となくだけど、暁に似ている気がした。



「「行こう?」」

「っっ、ちょっ…。」



私を急かすかのように引っ張る2人に、足を縺れさせながらも、付いて行く。
< 120 / 422 >

この作品をシェア

pagetop