寵愛の姫 Ⅳ



「………………、さっきまで、真っ暗闇だったのに…。」



恐るべし、死後の世界。







呆然と、私はその光を見つめた。



「早く、行って?」

「帰らなくちゃ、だよ?」




ぐいぐいと、幼い2人に光の方へと押し出される。






凄く、強引に。



「っっ、ちょ、な、何?」



びっくりする私を光の中へ押し出した2人は、何も答える事なく、とても満足そうに微笑む。



「「バイバイ、“ーーーー”。」」



………………え?







小さな呟きに目を見開いた私の身体が次の瞬間、ふわりと浮遊感に襲われ。




そのまま、意識を手放した。
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