寵愛の姫 Ⅳ


「なぁ、莉茉。」

「………。」

「お前、いつまで眠ってるつもりだ?」




そっと、頬に手を滑らせる。








ぴくりとも反応を返さない莉茉に、俺の気持ちが萎えそうになったのは、1度や2度じゃない。











………………それでも。



「信じてるぞ、莉茉?」




お前は、俺を1人にしない。








そうだろ、莉茉?







………………信じてる。
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