寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「………、り、ま…。」


一体、何度この瞬間を待ち望んだ事だろう。











期待して。




その度に、絶望が俺の胸を支配するんだ。



「………………私…。」

「っっ、莉茉、身体は辛くねぇか?」



不思議そうに瞬きを繰り返す莉茉の顔を、俺は慌てて覗き込む。



「………ん、平気。」

「っっ、」



ぎこちなく頷く莉茉に、歓喜が込み上げる。










あぁ、




………………夢じゃねぇ。
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