寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「良かった、莉茉。」



莉茉の声。



その、表情。









俺の妄想でも、夢でもない。




全てが、紛れもない現実だ。



「暁、ここは?」

「病院だ。」

「………病院…。」



莉茉の視線が、また宙をさ迷う。



「………そっか、私、茉莉に刺されて…。」

「………。」



やっばり、覚えてるか。






正直、忘れていて欲しかった。
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