寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「心配、掛けちゃった、ね? 」



莉茉が自分の手をゆっくりと差し伸ばして、俺の頬に指を這わす。



「………暁?」

「うん?」

「ーーーーー会いたかった。」



ぽつりと呟いた莉茉の目から、一粒、綺麗な涙がぽろりと零れ落ちる。



「俺もだ。」

「………ん。」

「俺も莉茉に会いたくて、堪らなかった。」



紛れもない、俺の本心。









なぁ、伝わってるか?





お前なしでは、俺は生きられないって事が。







その零れ落ちた涙を拭い、口付ければ、莉茉が幸せそうに笑みを浮かべた。
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