寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「だから、さ?」
「うん?」
「暁には、凄く心配を掛けちゃったけど…。」
俺を見上げる莉茉が、眉を下げて困ったような表情を浮かべる。
「………、その夢が見れて、私は嬉しかった。」
「………………そうか。」
「うん、ごめんね?」
また、申し訳なさそうに眉を下げ続ける莉茉は、謝罪を繰り返す。
「狡いな。」
「え?」
「そんな顔をされて、俺が莉茉を許さない訳がないだろ?」
これも、惚れた弱味だ。
俺は、莉茉には甘い。