寵愛の姫 Ⅳ



「えっ…。」


莉茉が頬を染める。





………あぁ、そんな反応も愛おしい。



「ふっ、皆、莉茉が目を覚ますのを、待ってたんだ。」



ずっと。



莉茉が眠りに付いた、あの日から。



「………うん。」

「その大切な家族の莉茉が目を覚ましたと知って、慌てて駆け付けてくるに決まってる。」

「っっ、」



莉茉が目を潤ませる。



「………暁…。」

「ん?」

「ーーーーありがとう、ただいま。」




幸せそうな表情を浮かべ、目を潤ませた莉茉が、満面の笑みを浮かべた。
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