寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
切望
「もう、大丈夫でしょう。」
暫くして、慌てて飛んで来たお医者さんに色々と検査をされて。
その後に、幾つかの質問をされる。
それだけで、疲れてしまった。
………だから。
「ですが、ずっと眠っていた為に体力が落ちているので、無理は禁物です。」
先生が言う事に、素直に納得が出来た。
「はい、分かりました。」
「で、では、これで失礼します。」
「え、先生……?」
ちらちらと私の後ろを気にする先生が足早に立ち去るのを、唖然と見送る。
その早さに、驚くしかない。
「………?」
なん、だったの?