寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「莉茉、俺は大丈夫だから。」
「………ん。」
そうであって欲しい。
何よりも怖いのは、暁を失う事。
その瞬間、私は壊れるだろう。
そして、この世界を捨てる。
躊躇なく。
ーーーーー暁の元へ、行く為に。
「俺は、莉茉を悲しませる事はしねぇ。」
「………約束?」
自分の小指を差し出す。
子供だって、言われても良いよ。
笑われても、構わない。
ただ、信じたいの。
暁との、未来を。
「ーーーあぁ、約束だ。」
絡まる、小指。
2人で、未来を誓い合った。