寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………病院だ。」
渋々、答える暁。
その顔には、ありありと不快感が滲んでいて。
不機嫌に歪ませる。
「………病、院?」
「あぁ、莉茉を刺した後から様子が可笑しくなったから、入院させた。」
「っっ、」
目を見開く。
………そ、れは。
「………………、私、の、せい?」
私のせいで、茉莉は可笑しくなったの?
「っ、違う、莉茉のせいな訳がねぇだろ?」
動揺に揺れる私の手を、暁が強い力で握った。