寵愛の姫 Ⅳ  【完結】

「………………、会いたい。」

「あ?」

「っっ、茉莉に会いたい。」



会って、話したい。








真実から目を逸らして、過去から逃げるのは、もう、終わりにしよう。










向き合わなくちゃ。





茉莉と。








………………そして、過去に。



「お願い、暁。」

「駄目だ、お前をあの妹に会わせられる訳がねぇだろ?」

「っっ、」



暁の手が、震えてる。








分かっているの。





私を暁が心から心配してくれているんだって事は、痛いくらいに。
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