寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「っ、ごめん、暁、ごめんなさい……。」
涙が溢れる。
悲しいのか。
何も出来ない自分が、悔しいからかな?
自分自身の事なのに、良く分からない感情が、胸の内から込み上げてくる。
「っっ、自分勝手で、ごめんなさい。」
最低だ。
暁の優しさを突っぱねて、私は自分のエゴを押し通そうとしているんだから。
「っ、でも、会いたいの…。」
「………莉茉…。」
暁の声を聞きながら、申し訳なさに俯けば、ばらばらと、シーツの上に涙が零れ落ちていく。
こんな風に泣くなんて、私は本当に最低だ。