寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「……………っっ、今、茉莉に会わなかったら、私は、きっと後悔するから。」
話したい事がある。
言いたい気持ちも、私のこの胸の内に眠ってる。
辛かったの。
苦しかったよ。
声にならない、叫び。
家族になりたかった。
もう、戻れない。
あの頃には、二度と。
ーーーーー永遠に。
「っっ、」
胸が痛い。
ぐちぐちゃになる、私の中の感情。
「………………、分かった。」
顔を歪ませた暁が、私の零れ落ちる涙を拭う。