寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「なら、莉茉?」
「うん?」
「早く身体を治せ。」
さらりと、暁が私の髪を撫でる。
そして。
「莉茉、お前が足りない。」
甘く囁く。
ゆるりと、暁が口角を上げた。
「っっ、」
あまりの妖艶さに、くらりと目眩が起きる。
………………でも。
目が逸らせない。
魅せられる。
暁の全てに、反応せずにはいられない。
………………あぁ…。
どこまでも、溺れていく。
羞恥に顔を赤らめる私を、暁の愛おしいげな眼差しが見つめていた。