寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
それも、一瞬で。
「莉茉?」
「うん?」
「真実を知る覚悟が、お前にはあるんだな?」
暁は強い眼差しを、私へと向ける。
苦しむ勇気が。
その真実を、受け止める覚悟があるのかと、暁の眼差しが私に問う。
「………………、うん、暁が側にいてくれるなら、私は向き合える。」
もう、一人じゃない。
きっと、暁がいてくれなかったら、私はそうは思わなかった。
全ての事から目を逸らし、これから先もずっと、逃げ続けていただろうから。