寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「………怖い?」

「………っっ、私は、暁の迷惑になりたくないのにっ。」



悲痛に訴える莉茉が、俺の裾を掴む。








必死に、引き止めようとするかのように。








小刻みに震える手に、力が入る。



「………、ねぇ、暁…。」

「ん?」

「………………私達の隠された真実は、暁にとって迷惑にならない?」

「ふっ、馬鹿だな。」


ふっと、笑う。






そんな事を、考えたのかよ。









莉茉は、本当に馬鹿だ。







でも、嬉しくもある。



「ば、か?」

「あぁ、馬鹿だ。」



目を瞬かせる莉茉に、ますます笑みが深まった。
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